ライバル店同士の屋外広告

福岡市中央区天神の商業施設「イムズ」「ソラリアプラザ」が開業２０周年を祝い、互いをたたえ合うユニークな巨大広告を掲示している。両店の広報担当者によると、ライバル店同士のこうした屋外広告は、全国的にも珍しいという。

　イムズは、渡辺通りに面する入り口の上部に壁面広告（縦１２・７メートル、横１１・１メートル）をつり下げた。「最大の敵であり、無二の友よ。これからも力の限り戦うことを　この理想郷、天神に　誓いましょう」と、ソラリアプラザにエールを送る。ソラリアプラザは、通りを挟むソラリアターミナルビルに「私たちは、天神という名の聖域で　２０年も戦ってきた好敵手なのね」と功績を認めるメッセージを入れた壁面広告（縦２０メートル、横５・３メートル）を掲示した。

　ともに１９８９年に開業した両店は、九州一の繁華街・天神でしのぎを削る仲。競争相手であり、定期的な会合で情報交換を続ける“仲間”でもある。景気が冷え込み消費低迷が続く中、「天神地区の盛り上げに協力しよう」という思いを込めて企画した。

　商業ビルのかぶり物を使い、天神の流通戦争を演じる福岡市の劇団「ギンギラ太陽’ｓ」を主宰する大塚ムネトさん（４３）は「ビルが今にも動きだしそうでワクワクしますね」とニッコリ。「天神の商業施設はライバルでも仲が良いのが強み。これからも切磋琢磨（せっさたくま）して」と話している。掲示は１６日まで。

＝2009/03/04付 西日本新聞夕刊＝

かっこいい試みですねぇ